筆者が重要視している、人生で大切な4要素:健康、仕事、遊び、愛のうち、土台となるのが健康。
健康のために睡眠が重要であることは言うまでもありません。しかし、その重要性が正しく理解されず、ないがしろにされている習慣の最たる例ではないでしょうか。私たちは、気づかないうちに睡眠の質を低下させる行動をとっていることがあるのです。
正しい睡眠習慣とはどんなものなのか。より良い睡眠を得る方法とは何か。
科学的根拠に基づいた、正しい睡眠について調べてみましたので、ご覧ください。
なぜ睡眠が重要なのか?
睡眠が大切なのは、睡眠に以下の役割があるためです。
- 日中すっきりとした気分で過ごし、普段の活動をこなせるだけの集中力を保つ
- 体を健康に保つ
睡眠の効果としては、以下のものがあげられます。
- 学習や記憶の定着を助ける
- 病気にかかるリスクを減らし、病気になった場合には早く回復する
- 子どもの成長を促す
- 筋肉を鍛え、体内の細胞や組織を修復する
逆に睡眠が不十分であれば、
- イライラ、不安、抑うつ感
- 人間関係のトラブル
- 高血圧、心臓病、脳卒中、腎臓病、肥満、2型糖尿病のリスク
といった問題が増えることが分かっています(Sleep Med. 2021;77:192. Epub 2020 Aug 18)。
どのくらいの時間を眠ればいいのか
では、まず睡眠の長さについて。
答えは、「原則として年齢によって決まり、生活スタイルや健康状態によって左右される」です。米国睡眠医学会および睡眠研究学会、全米睡眠財団によると、年齢ごとの推奨睡眠時間は、以下の通りです(J Clin Sleep Med. 2015;11(6):591. Epub 2015 Jun 15) (Sleep Health. 2015;1(4):233. Epub 2015 Oct 31)。
| 年齢 | 睡眠時間(1日あたり) |
| 新生児 | 14-17 時間 |
| 乳児 | 12-15 時間 |
| 1-2歳児 | 11-14 時間 |
| 3-5歳児 | 10-13 時間 |
| 児童 | 9-11 時間 |
| 中高生 | 8-10 時間 |
| 成人 | 7- 9 時間 |
| 高齢者 | 7- 8 時間 |
もちろん、必要な睡眠時間には個人差があり、例えば成人で7-9時間眠っても不十分な場合があります。
この表を見てどう感じるでしょうか。必要な睡眠時間は、実際の睡眠時間よりも長いと感じる人が多いのではないでしょうか。例えば、睡眠時間が推奨よりも2時間不足した場合、その睡眠不足を解消するためには2時間以上多く眠らなければならないことがあります。不足分が負債となって、利息分を多く眠らなければならないということです。そうならないように、毎日、上記の推奨睡眠時間を確保することが健康に重要です。
質の高い睡眠をとるには
質の高い睡眠とは、「心身ともに休まる十分な時間の睡眠」を指します。この質の高い睡眠をとるのに役立つ習慣を身に付けることが重要です。
睡眠の質が重要である理由は、睡眠中に脳と体が「睡眠サイクル」を繰り返すためです。この各サイクルには、それぞれ異なる目的があります。
良い睡眠習慣を身に付けるには、以下のことを心がけましょう。
- 毎日ほぼ決まった時刻に寝て、決まった時刻に起きる
- 就寝直前の食事は避ける
- 午後になったらカフェインを控える
- 就寝前にはアルコールを控える
- 夕方以降は喫煙を避ける
- 寝室は暗く、涼しく、静かにして、仕事やストレスの原因となるものを一切置かない
- 寝る前にトラブルを解決しておく
- 十分な運動をする(ただし就寝直前は避ける)
- 就寝前に、光を放つスマートフォンやタブレットを見ないようにする(ブルーライトカットが睡眠の質を向上させるというエビデンスは不十分)
- 寝室では時刻を確認しない(目覚まし時計やスマートフォンは視界に入らない場所に置く)
- 夜に眠れない場合は、特に長い昼寝を避ける(20分間程度の短い昼寝は集中力維持に役立つ)
(J Am Geriatr Soc. 2005 May;53(5):803-10)
(JAMA Netw Open. 2025;8(3):e252493. Epub 2025 Mar 3)
(J Behav Med. 2015 Jun;38(3):427-49. Epub 2015 Jan 18)
(Sleep Med Rev. 2023;69:101764. Epub 2023 Feb 6)
これらをすべて守るだけで、睡眠の質は大きく改善するはずです。
まとめ
良質な睡眠を得るための、睡眠時間および睡眠習慣について解説しました。睡眠習慣については、いずれもシンプルなものばかりなので、すぐ実践できると思います。
ここで示した以外にも、睡眠に関する要因はたくさんあります。寝具やパジャマ、室温などについて気を配ることも効果的です。いろいろな情報に触れて、ぜひご自身の睡眠を改善させてください。

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