「医師は高収入」というイメージをお持ちでしょうか。弁護士と並んで、高給職業というイメージがあるかもしれません。VUCAの時代、安定した収入を得たいと考える人もいるでしょう。では、医師は高収入を得ているのでしょうか。
ここでは、主に医師になろうと考えている方に向けて、時期別に勤務医の平均的年収を示していきます。
初期研修医(医師1-2年目)の給与
厚生労働省が、研修医の給与についてまとめた資料を公表しています。
全国の大学病院 臨床研修病院 1,072施設 平成19年度https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0203-6f.pdf
1年次 平均値 413万円/年 中央値 391万円
2年次 平均値 466万円/年 中央値 420万円
全国の大学病院 臨床研修病院 1,038施設 平成23年度 推計年収https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vj46-att/2r9852000001vj7i.pdf
1年次 平均値 435万円/年
2年次 平均値 481万円/年
2つ目の資料によると、医師の収入には地域差があり、青森県、秋田県、山形県、北海道で平均値が高く、東京都、大阪府、宮崎県、佐賀県などで平均値が低いことがうかがえます。
2つ目の資料によると、医師の収入には地域差があり、青森県、秋田県、山形県、北海道で平均値が高く、東京都、大阪府、宮崎県、佐賀県などで平均値が低いことがうかがえます。
初期研修医の年収は、各臨床研修病院が掲載する臨床研修医募集要項に記載されています。
例)2027年度
東京大学医学部附属病院 1年次 平均 25.3890万円/月 (約304万/年 賞与有)
京都大学医学部附属病院群 1.1450万円/日 (約302万/年 臨床研修奨励手当 9万円/月)
慶應義塾大学 約430万円/年(当直料を含む)
専攻医・レジデント(医師3-5年目)の給与
専攻医の給与は、初期研修時代に比べ増加することが一般的です。
賃金構造基本統計調査から、多くの専攻医が該当すると思われる25-29歳の医師の平均年収をみると、約698万円。
専攻医になると、いわゆるアルバイトが可能となるため、本業の給与+アルバイト給与によって年収を増やすことが出来ます。ただし、専攻医は業務の負担が急激に重くなる時期で、一番「割に合わない」と感じる期間です。身体的・精神的に不調をきたさないように、自己管理することが重要です。
スタッフ(医師6-10年目頃)の給与
各種の専門医資格を取得したスタッフになると、常勤扱いになることが多く、手当も含めて給与がさらにアップします。平均年収は800-1,200万円程度になるでしょう。
スタッフになると診療面でも経済面でもゆとりができることが多く、医師としてやりがいを強く感じられる時期になります。
部長(医師15-20年目頃)の給与
管理職になり管理職手当が加わることで、年収が増加します。もちろんそれに伴い責任や業務も大きく変化し、負担も増えることになります。1,500-2,000万円が目安になるでしょう。
2025年の調査によると、雇用医師の平均年収は約1,512万円(平均年齢 45.7歳)とのことです。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&stat_infid=000040421120
医師20年目頃、部長職クラスの医師で平均的な年収を得られる、ということになります。
賃金構造基本統計調査をみると、勤務医は50歳代後半から60歳代前半が年収のピークとなり、60歳代、70歳代になるにつれて収入は下がっていくようです。それでも1000万円程度の収入が得られることが多いでしょう。
勤務医で「1億円プレーヤー」はまず無理
年収1億円を超えるアスリートを「1億円プレーヤー」と呼びます。転じて、年収1億円以上の人を指すことがありますが、医者で「1億円プレーヤー」となることは可能でしょうか。
勤務医に限って言えば、それはまず無理と言えるでしょう。先ほどまで見てきたように、部長職で2,000万円程度、病院長でも3,000万円程度と言われているためです。いくらアルバイトをしても、1億円までの差を埋めることは現実的ではないのです。医師業のみで1億円の年収を稼ぐには、開業したり自由診療を組み合わせたりする必要があるでしょう。
つまり、一般的な医師は、突出した収入になることはできず、時間をかけて「億り人」になることはできても、10億100億といった資産を持つ億万長者にはなれない。一般会社員に比べれば平均年収は多いかもしれませんが、証券マンやコンサルティング業に比べれば「小金持ち」にしかなれないのです。
まとめ
医師の収入に突っ込んでみました。一般会社員に比べ20歳代の収入は高めですが、その後の収入の伸び率は高くなく、上限も数千万程度に限られている。これが勤務医の収入実態です。お金を稼ぐための職業としては、お勧めできません。
こうした現実を見ると、大金持ちになりたい場合は、「医師になって稼ぐ」というプランよりも、スキルや経験を積んで若いうちに起業・自営業できるような職種・業界を見つけておく、というプランの方が良いように思います。

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