筆者が重要視している、人生で大切な資産が3つあります。それは健康、時間、お金(ここでは金融資産+実物資産=有形資産のことを指す)。
このうち、どのように健康を獲得・維持すればよいかを考えて、4つの習慣を提案してきました。健康については、最新の医学論文を紐解くことによって、科学的に正しい健康づくりができるのです。
では、時間をどのようにつくり出すのか、お金(有形資産)をどのように生み出していくのか。皆さんも、きっと悩んだり考えたりしたことがあるかと思います。
その解決策として有用だと思っているのが、「読書」。読書を繰り返すことによって、先人たちの知識を借り、自身の問題解決に役立てることができます。さらに、必要だと思うときだけに読書するのではなく、読書を習慣にしてしまえば、知識は飛躍的に増えていくのです。
このページでは、読書の有用性、そして読書を習慣化することの重要性を説いてみたいと思います。
本からは信憑性・信頼性の高い情報が得やすい
読書をすることの一番のメリットは、信憑性と信頼性の高い情報を得ることが出来ることです。
この情報社会、知りたいこと、欲しい情報を簡単に得ようと思えば、インターネットで検索する、SNSで知っていそうな人に投げかけてみる、AIに質問してみる、といった方法がすぐに可能です。ただし、こうした情報は、その出所や発信者、根拠が不明なまま手元に届くことが多いため、信憑性や信頼性の点で問題を抱えています。ただの噂だったり、デマだったりする可能性があるわけです。
では、信憑性と信頼性が担保された情報は、どこから得られるでしょうか。例えば、公的機関が発信している情報。異なる研究者が同一結論に至った、複数の査読済み研究論文。絶対に信頼できる情報というものはありませんが、簡単に言えば、知識を有した人が、ほかの知識を有した人に裏を取った上で発信した情報は、ある程度の信憑性があると言えるでしょう。
本や書籍は、その内容を書こうとした著者が、自身が体験・経験した知識や情報について、出版社の編集者や校閲者が内容をチェックした上で世に出されます。その意味で、本には一定程度の信憑性・信頼性の高い情報が書かれていると言えます。本に記載されている内容は、許可なくインターネットに公開することが著作権法で禁止されているため、ネットやSNSで検索しても得ることができません。
発信している人物が明確である情報は、ネット時代の情報として価値が高いと言えます。本には、そういった価値のある情報を入手することができるメリットがあるのです。
読書しない人との情報格差をつけることが出来る
令和3年に行われた、国立青少年教育振興機構によるインターネット調査(全国の20~60代の男女5,000人、各年代男女500名ずつを対象)によると、1ヵ月に読む本(紙媒体)の量を「0冊」と回答した人の割合は、平成25年では28.1 %でしたが、平成30年では49.8 %と、約20ポイント増えています。特に、「0冊」と回答した割合が最も増えた年代は20代(25.1ポイント増、52.3%)で、平成30年で「0冊」と回答した割合が最も多い年代は30代(54.4%)でした。
国立青少年教育振興機構(2021)【報告書】子どもの頃の読書活動の効果に関する調査研究
社会に出て働き出し、スキルを伸ばしていく20-30代での読書量が少ないことを考えると、この年代の人が読書をすれば、読書をしない同年代の人に比べて差を付けられる、ということを意味しています。信憑性の高い情報の多さは、明らかなアドバンテージになります。
仕事で直面した問題、あるいは遭遇しそうな問題についての本を読めば、問題解決への時間や労力を大幅に省略することができるはず。働きながらビジネス書を読むことは、非常に大切です。
株式会社ベネッセホールディングスが行った「子どもの生活と学びに関する親子調査」の結果によると、小学校入学前に読み聞かせを受けていた子どもはその後の読書時間も長く、その効果は中学生まで続くといいます。また早い段階で読書週間を身に付けた子どもは、その後も長い時間、読書する傾向が見られました。https://benesse.jp/berd/up_images/textarea/datachild/datashu04/datashu04_pdf_2.pdf
読書の効果とは
読書で得られる効果やメリットとは、どういったものがあるでしょうか。まとめてみました。
読書と学力|語彙力、読解力、記憶力、批判的思考力
前述した国立青少年教育振興機構によるインターネット調査によると、子どもの頃の読書量が多い人は、認知機能が高い傾向がありました。この調査結果における認知機能とは、語彙力、文章理解力、ワーキングメモリ(いわゆる記憶力)のこと。
この調査以外にも、読書量と認知機能との間に正の相関があることが報告されています(Senechal, 2006; Martin-Chang & Gould, 2008)。
そのほか、ものごとを順序立てて考える、客観的・多面的・論理的に考える力や、意見をまとめる力、コミュニケーション力なども読書習慣と相関があるとされています。批判的思考力と称されるこれらの能力が高い人は、いわゆる「頭の良い人」のイメージと重なるでしょう。読書によって、広い学力が身に付くと考えられるのです。
読書と社会性|自己理解力、主体的行動力、共感力、想像力、創造性・アイデア
再び、前述した国立青少年教育振興機構によるインターネット調査によると、読書をしている群では自己理解力が高かったという結果が得られました。自己理解力とは、今の自分が好きだ、自分には自分らしさがある、といった感覚を指し、いわゆる自己肯定感と言い換えてよいでしょう。この結果は、読書の際に生じた感情が読者の自己理解の変容をもたらす、という仮説で説明されています。
また、同調査では、読書時間が長いほど、主体的行動力が高いことが示されました。主体的行動力とは、分からないことはそのままにしないで調べるなど、進んで取り組む姿勢や意欲のことを指します。
つまり、読書によって自分に自信を持ち、かつ主体的な姿勢や意欲が育つ、というメリットがあるのです。こうしたメリットは、小中高と継続して読書している人で見られることも示されました。ちなみに、紙媒体か電子媒体かには関係なく、読書している人はしていない人よりもこうした非認知能力が高い傾向があり、紙媒体で読書している人の非認知能力は最も高い傾向がありました。
前述した株式会社ベネッセホールディングスの調査では、読書時間が長い子どもは理解や思考、表現などの活動について「得意」と自己評価する傾向があり、逆に読書をしない子どもは、ニュースへの関心や自信、将来の目標などの肯定率が低いという結果でした。この調査でも、読書が自己評価や自己肯定感に影響を与えることが示されているのです。
そのほか、他者の感情や立場を理解したり思いやったりする共感力や、想像力、創造性が読書によって育まれるとされています。こうした社会性は、グローバル化した競争社会において特に重要と考えられます。
読書と心理的作用|リラックス、ストレス解消、安定性、睡眠の質、レジリエンス
大学生を対象にした研究の結果、娯楽として読書をしたことと心理的苦痛の軽減が関連していたことが分かりました。娯楽としての読書には欲求不満を緩和する働きがあり、それがメンタルヘルスの改善につながったと考察されています(J Am Coll Health. 2022 Jan;70(1):158-164)。
また、親の読み聞かせは、子どもにも親にも心理社会的機能に対して肯定的な効果をもたらすという研究結果があります(Pediatrics. 2018 Apr;141(4):e20172675.)。
日本の研究では、小学生は読書によってレジリエンス(回復力、忍耐力などと訳されることが多い)が高まり、この傾向は貧困状態にある児童で特に顕著だとされています(J Epidemiol. 2026 Feb 5;36(2):51-57)。
これらの研究のように、読書はリラックスしたりストレス解消をもたらしたりする効果があり、睡眠の質も改善するという心理的メリットも多く得られます。
読書と生涯学習|教養、知識、価値観
特にこれといった問題や課題もなく本を読むこともあるでしょう。興味の赴くまま読む本も大切。教養を広げ、知識を増やし、まだ知らない価値観に触れるという体験ができます。
学生時代には興味がなかった物理学や数学、経済学、世界史・日本史。改めて勉強したくなった英語などの外国語。推理小説、SF小説、純文学などの小説。世の中には、自分が知らないことであふれています。こうした未知の世界について知りたいという欲求を満たす、簡単で安価な方法が読書なのです。
自分の世界を広げるために、ぜひ読書をしましょう。
時間のつくり方やお金の生み出し方も読書で解決できる
筆者は、人生における重要な資産として時間とお金(有形資産)を挙げます。時間は万人に等しく与えられている資源であり、どれだけ努力しても長くすることはできません。この限られた時間を、何に対してどれくらい配分するのかが、人生を送る上で重要だと考えているのです。
また同様に、お金を十分に保有し、何に対してどれくらい配分すれば、幸せに過ごしていけるのか。この2つが人生の大きなテーマだと思うのです。
時間をどのように使うか。いわゆる時間術や時短ハックを呼ばれる方法論を、筆者は読書によって知りました。そして、どうやったら金銭的に裕福になれるかも、読書によって知識をたくさん得ました。金融投資(株式投資、不動産投資など)、NISAやiDeCoといった金融制度のしくみなどは、複数の本に記載されていますので、反復して理解することができます。
莫大な資産を築いた人物というのは、給料によって億万長者になったわけではないことも知りました。事業を起こした創業者は、自身が保有している自社株の株価が大きく上昇することによって資産が大きくなるのです。ですから、起業し成功した人物の自伝や伝記を読むことも大切だと思います。
時間とお金に関する知識を、なるべく若いうちに取り入れておくことを、強くお勧めします。
筆者が読んだ本や著者の一例:
- ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』、および『金持ち父さんシリーズ』
- 山崎元さんの『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』ほか
- 勝間和代さん(経済評論家)
- 本田宗一郎さん(本田技研工業創業者)
- 稲盛和夫さん(京セラ創業者・KDDI創業者)
まとめ
読書の重要性を説明してきました。10代の頃から読書習慣を身に付け、非認知能力と認知機能を伸ばしながら、大人になってもその習慣を続け、より大きな問題にも立ち向かっていけるように教養や価値観を広げていくことが重要です。読書で知識を得ること、感動を得ることは、何より刺激的で楽しい。ぜひ、読書を生涯続けていってほしいと思います。

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